すてきな空間をコーディネイトしてくれる観葉植物,その鮮やかな緑色を目にするだけで落ち着いた気持ちなる方も多いでしょう。もともと中間色である緑色には『リラクゼーション効果』があると言われており,それが自然がつくるものであれば尚のことです。
そこで、みなさんはエコプラントを知っていますでしょうか。植物は光合成により二酸化炭素を吸収し、酸素を放出します。そして空気の吸収・放出をしながら、気持ちをリラックスさせるマイナスイオンを一緒に出し、空気中の有害物質を除去する働きがあることがNASAの研究により判明しました。こうした働きを持つ観葉植物を「エコプラント」と呼びます。
観葉植物を置く理由としては景観的な側面だけでも十分なのですが,観葉植物の中には空気をきれいにしてくれるものがあります。ここではちょっとお得な感じのするそんな植物を紹介します。
さっそく、エコプラントの持つ効果を詳しく見ていきましょう。
また、植物の育て方で悩んだときは観葉植物レンタルの『ThePrimeGarden』までお問合せください。
目次
エコプラントとは
もともと,植物は『光合成』をすることで空気中の二酸化炭素を吸収して酸素を放出しています。お部屋の中に置かれた観葉植物も,光をきちんと当ててやれば頑張って酸素を増やしてくれます。
そして,観葉植物の中には『光合成』のはたらきとは別に,体に有害な物質を吸収・吸着したり,逆に健康に役立つ物質を放出してくれるものがあります。それらは『エコプラント』と呼ばれています。
エコプラントの空気浄化作用とは
空気をきれいにするといっても、その効果は様々です。主に以下のような効果があります。
抗菌作用
フィトケミカルという物質が植物には存在します。それによってカビの胞子やバクテリアを抑える働きが観葉植物にはあります。この効果は『抗菌効果』で植物にとって大切な防御する為の機能であり、私たち人間には空気清浄効果をもたらしてくれます。
有害物質の除去効果
ホルムアルデヒドだったりトリクロロエチレンは、人体に有害な物質です。その有害な物質を観葉植物はエコプラントという働きによって除去してくれます。そして、空気を綺麗にしてくれます。ちなみに、この発見をしたのが有名なNASAで、生命維持システムを開発中に発見されました。
二酸化炭素の除去
植物には、光合成という働きがあります。その働きによって二酸化炭素を減らしてくれます。また、二酸化炭素を減らすだけではなく、酸素を増やしてくれます。日中に光合成をする植物がほとんどですが、夜に二酸化炭素を吸収して日中に光合成をする植物もいます。CAM光合成と呼ばれており、その植物を寝室になどに置いておくと夜に空気清浄効果をしてくれるので快適なお部屋で寝ることができます。
シックハウス症候群などの原因となる物質は
<ホルムアルデヒド>
フローリング材などの建材塗料や接着剤に含まれ,目やのどの炎症を起こします。
<キシレン,トルエン>
接着剤,塗料,壁はり材に含まれ,目やのどを刺激し,頭痛や疲労を起こします。
<ベンゼン>
最近では,その毒性から使われることが少なくなりましたが,以前は有機溶剤に利用されていました(染み抜き剤など)。
<アンモニア>
掃除用の洗剤に含まれることがあります。また,ペットのトイレからも発生します。
身心を健康にするマイナスイオンの放出
一時期話題となったマイナスイオンですが、具体的には一体どんなものなのでしょう。空気中にはプラスイオンとマイナスイオンが存在し、私たちは呼吸などを通して取り込んでいます。しかし現在の社会環境はプラスイオンが過剰なため、マイナスイオンが不足しがちでバランスが偏っているのです。マイナスイオンを取り込むことで心拍数を安定させて血圧を低く保ち、イライラを抑えます。精神的にも肉体的にも安定した生活を送ることにつながるのです。
マイナスイオンはあらゆる植物から放出されますが、植物の種類によってマイナスイオンの放出量は異なります。観葉植物を選ぶ際には、マイナスイオンをたくさん出す種類を調べて室内に置くことも大事です。
フィトケミカルがカビ、バクテリアを抑え込む
フィトケミカルとは植物の葉から放出される天然の化学物質で、空気中に浮遊するバクテリアなどの微生物やカビの胞子を抑え込む力があります。植物自身を守るためのシステムですが、身近に観葉植物を置くことで我々もその恩恵を受けることができます。
空気を清浄する以外にもエコプラントには様々な効果が
エコプラントを部屋に置くメリットはきれいな空気を生み出す以外にも下記のようにたくさんあります。
- 緑を視ることによるリラクゼーション効果
- 目や体の疲れを癒す
- 湿度の最適化
- フィトンチッドでまるで森の中にいるかのような気分に
- 気分を快適にし、作業の効率化
- ストレス低下作用
緑を視ることによるリラクゼーション効果
植物を眺めていると、私たちの脳内ではアルファ波が放出されます。マイナスイオンの効果も相まって、観葉植物のある空間ではリラックスして快適に過ごすことができます。
目や体の疲れを癒す
マイナスイオンは目の疲れにも効果的です。眼精疲労を癒し、ドライアイを防ぐ効果もあります。また、目だけでなく、体の疲労を癒す効果もあります。デスクワークの多い今日では、卓上など目につきやすい場所に観葉植物を置くことで仕事や作業による疲労を軽減できます。
湿度の最適化
観葉植物は蒸散作用を持っており、葉から水分を拡散しています。この作用は、室内の湿度を50~60%ほどに調整してくれます。冬場などの乾燥の激しい時期は喉や鼻に炎症を起こしやすく、肌にも良くありません。部屋の中を常に一定の湿度に保ってくれる植物は天然と加湿器と言えます。
フィトンチッドでまるで森の中にいるかのような気分に
フィトンチッドは植物から放出される香りの成分です。植物が細菌などを殺して自己防衛するためのものですが、私たちには多くのリフレッシュ効果を与えてくれます。脳内にアルファ波を発生させるのもフィトンチッドによるもので、これにより交感神経を抑えて心を落ち着かせ、イライラの解消や安眠効果が期待できます。
森の中で深呼吸したり散歩したりする森林浴では大きなリラックス効果が期待できますが、室内の観葉植物も同等の作用をもたらしてくれます。
気分を快適にし、作業の効率化
企業では、社員の仕事効率を引き上げるためにエコプラントを設置する動きも増えています。オフィスの植物が社員の心を癒し、目や体の疲れを防ぐことで仕事によるストレスの軽減やモチベーションのアップを図れます。
一人ひとりのメンタルを安定させることで働きやすい職場環境が作られ、自然と職員同士の対人関係ストレスも減るという相乗効果も狙えます。
こうしたエコプラントの持つ作業効率を上げる作用は、とくにヨーロッパなどの企業が注目し、積極的に取り入れているようです。
ストレス低下作用
これまで述べてきたように、エコプラントにはさまざまな作用があり、室内に置くだけで私たちの仕事環境や生活環境はよりよいものに生まれ変わります。視覚的に緑を取り入れることや、植物の持つ化学的な作用のおかげで心身ともに安定した毎日を送れるようになるのです。
観葉植物の定番の設置方法は?
小鉢を床に置いてしまうと、あまり大きく育たないため目立たないことがあります。机や卓上、フラワースタンドなどに飾ることで、小さな観葉植物に存在感を与えます。もしくはスタンド付きの鉢に植えることで、インテリアとしてさらにセンス良く見せることができます。
大型サイズを使う場合は、背の高い鉢に植えてみたり、成長して背の高くなったものを寄せ植えにしてみたりしましょう。部屋の壁側や窓側に飾ると存在感を発揮してくれます。
同じ品種を等間隔に並べることでも十分インテリアとしての効果を発揮します。同じ品種を並べてみたり、サイズの違うものを並べてみたりと、飾り方をちょっと工夫するだけでおしゃれな空間を演出できます。数が多ければ、パーテーションとしても活用できます。同じ品種を並べ、高さをそろえることでゆったりとした雰囲気を醸し出せます。
根強い人気のエコプランツはやっぱり『サンセベリア』
では、入手しやすく、気軽に育てられるエコプラントにはどのようなものがあるのでしょうか。主な物をいくつか紹介していきます。
サンスベリアはアフリカの乾燥地帯が原産地だけに乾燥に強い多年草です。日照不足にも強いのですが,低温と多湿には弱いので水のやり過ぎには注意が必要です。
NASAの研究でも最も浄化能力が高いとされ,マイナスイオンの放出量も多く,夜間にも酸素を出し続けるので寝室に置けば安眠効果も期待できます。
別名「トラノオ」と呼ばれ、その名の通り虎の尾のような縞々模様が特徴的です。アフリカなど赤道近くの国が原産地であるため、乾燥や暑さに強く、冬であれば水やりの必要がないほどです。日陰でも成長しますので室内で育てるのにもってこいです。初心者でも無理なく育てやすいのがサンスベリアです。
普通の植物は光合成をおこなう昼間の間しか酸素を作り出しませんが、サンスベリアは夜間でも酸素を放出し続けるという性質を持ちます。室内に置けば常に新鮮な酸素を供給してくれますので、身心の疲労を回復したり、リラックス効果を与えたりしてくれます。こうした空気を浄化する作用はサンスベリアに限らず、エコプラントと呼ばれる観葉植物全般に備わっています。興味のある方はぜひ調べてみてください。
エコプラントとは、NASAが研究を重ね、観葉植物の中でも高い空気洗浄効果を持つと判断した植物のことです。サンスベリアはエコプラントの中でもさらに空気を浄化する力が強く、エコプラントと言えばサンスベリアといったイメージが定着しています。エコプラントの持つ空気の洗浄効果とは、空気中に含まれる化学物質を除去する作用、蒸散による湿度の調整機能、マイナスイオンを発生させる作用などがあります。
様々な『サンセベリア』
サンセベリアの種類はとても多く、有名なものとしては
- サンスベリア・ローレンティー
- サンスベリア・ゼラニカ
- サンスベリア・ハニー
- サンスベリア・スタッキー
- サンスベリア・パテンス
- サンスベリア・シルバーハニー
- サンスベリア・キリンドリカ
が挙げられます。
また、マニアにおすすめのレア品種では
- サンスベリア・ペロッティー
- サンスベリア・グイネンシス・マノリン
- サンスベリア・マッソニアーナ
- サンスベリア・グランディス
- サンスベリア・ヘンニーズゴールド
- サンスベリア・フランシシー
- サンスベリア・ロブスタ
- サンスベリア・キルキー プルクラ コッパートーン
- サンスベリア・バガモエンシス
- サンスベリア・ロリダ
などがあります。
サンセベリアの育て方
サンスベリアは湿気と寒さに弱い植物です。初心者の方が育てると、必要以上に水やりをして根腐れを起こし、枯れてしまうケースがよくあります。サンスベリアのような多肉植物の場合、乾燥には強いですが反面根腐れを起こしやすく、水の上げすぎはかえって逆効果になります。簡単に根腐れしてしまいますので、水をあげるタイミングをきちんと図ることが大切です。
- 土が乾燥していたら水を与える。
- 土が湿っていたら水やりをしない。
水やりの際は以上の2点に気を付けましょう。
また、温度にも気を付けましょう。寒さに弱いサンスベリアは10℃以下になると休眠状態になり、5℃以下になると枯れてしまいます。冬の時期は水やりの必要がないですが、室温が低くなりすぎないように注意してください。春から夏にかけては湿気に注意しながら4,5日間隔で水をあげ、秋ごろは1週間から10日間隔で水やりをしましょう。
なお、よく根が育つサンスベリアは定期的な植え替えが不可欠です。長い間同じ鉢で育てていると鉢が根でいっぱいいっぱいになり、酸素が十分に行きわたらなくなります。元気がなくなったり、枯れてしまったりする原因ですので、植え替えを行いましょう。植え替えは気温の高い春から夏の時期に行ってください。
増やしたくなった場合、株分けや葉挿しをしましょう。他にも、生長していくうちに葉が傷んでしまったときや、サンスベリアのサイズを大きくしたくない場合に行います。
サンセベリアの株分けの方法
①鉢からサンスベリアを引き抜き、手で根をほぐして土をよく落とします。
②子株をハサミで切り分け、日陰で24時間ほど乾燥させた後に植え込みます。
③しばらくすると子株が生まれます。2週間ほど水やりは控えるようにしてください。
葉挿しの方法
①健康で傷んでいない葉を1枚選び、3、4つほどに切り分けます。
②土に挿し、日光や水を与えずにおきます。
③しばらくすると葉から発根し、新芽が出てきます。
その他、リラックス効果が高いと人気の観葉植物
スパティフィラム
濃い緑色の葉と真っ白な花の組合せが美しい植物です。低温や水不足にちょっと弱く、日照不足で開花しにくくなるので雑には扱えませんが,うまく育てれば年中開花を楽しむことができます。
有害物質を吸収する力はやや弱めですが,吸収してくれる物質の種類は最も多いとされています。
アレカヤシ
亜熱帯原産の植物ということで、寒さには弱いです。冬でも10℃以上の気温をたもつように気をつけてください。直射日光では葉焼けが起こるので,カーテン越しやちょっと日陰になるような場所に置くようにしてください。水分の蒸散作用が高いのも特徴です。
アロエ
その葉肉は食用としても用いられる多肉植物です(年配の方には観葉植物というより薬用植物のイメージが強いかも)。少ない水でも育ち,低温にそこそこも耐えるので育てやすい植物です
ポトス
日光の少ない環境でも育つポトスは室内で育てるのにぴったりです。亜熱帯が原産の植物なので寒さに強いとは言えませんが,室内環境ならばさほど問題なく育てられます。空気を浄化する能力はかなり高く,エコプラントの中でも上位に入ります。
ただし、猫には有害なのでペットには気を付けましょう。
他にも、
・オリヅルラン
・センネンボク
・スパティフィルム
などがおすすめのエコプラントです。
今回は観葉植物が私たちにもたらすリラクゼーション効果についてご紹介しました。心が安らぐだけでなく、身体の健康にも役立つエコプラント。これを機に、室内に置いてみてはいかがでしょうか。